世界の駅・日本の駅
社会・文化の集合地=駅を読み解く
啄木が〈ふるさと〉をなつかしみ求め、帝国主義をとる欧米列強が〈権力誇示〉の装置として用い、大手私鉄会社が集客のための〈宣伝媒体〉として用いた鉄道駅。時代・地域に応じて多様なイメージを集束してきた駅を丹念に読み解く11章。
▶▶▶鉄道ピクトリアル(2010年11月号、評者:平田一彦氏)に書評が掲載されました。
総説 駅の文化史・社会史
第1章 都市の形成と駅の立地
第2章 駅と建築
第3章 都市近郊電車と駅
第4章 貨物輸送と駅
第5章 駅のホテルと百貨店
第6章 文人ゆかりの駅
第7章 映画にでてくる駅
第8章 絵画に描かれた駅
第9章 駅舎の保存と活用
第10章 音楽のなかの駅
第11章 駅名学入門参考文献
【編者】
小池 滋(こいけ・しげる)東京都立大学、東京女子大学で英語・英文学の教鞭をとる。英語・英文学関連の著訳書のほか、『英国鉄道物語』『世界鉄道百科図鑑』(共訳)など鉄道関係の著訳書も多い。
青木栄一(あおき・えいいち)東京学芸大学名誉教授、日本地理学会名誉会員。鉄道史学会会長、歴史地理学会会長などを歴任。主に交通地理学を研究。著書に『鉄道の地理学』『鉄道忌避伝説の謎』ほか。
和久田康雄(わくだ・やすお)運輸省、日本民営鉄道協会、日本鉄道建設公団などに勤務。著書に『人物と事件でつづる鉄道百年史』、『やさしい鉄道の法規』、『日本の市内電車1895〜1945』、訳書に『世界鉄道百科図鑑』(共訳)ほか。
【執筆者】(執筆順)
三木理史(みき・まさふみ)奈良大学文学部准教授。専攻は交通地理学、歴史地理学。著書に『近代日本の地域交通体系』『地域交通体系と局地鉄道』『局地鉄道』など。
小野田滋(おのだ・しげる)海外鉄道技術協力協会などを経て、鉄道総合技術研究所技術情報課長。主著に『鉄道構造物探見』『鉄道と煉瓦』など。鉄道技術史全般、土木史、近代建築史などが関心事。
中島啓雄(なかしま・ひろお)JR貨物常務取締役などを経て、参議院議員に当選。文教科学委員長、予算委員会理事などを歴任。研究テーマは交通政策、財政。著書に『現代の鉄道貨物輸送』など。
佐藤喜一(さとう・きいち)都立新宿高校に長年勤務。著書に『汽笛のけむり今いずこ』『されど汽笛よ高らかに』『鉄道の文学紀行』など。
臼井幸彦(うすい・ゆきひこ)札幌駅総合開発株式会社社長。著書に『駅と街の造形』『映画の中で出逢う「駅」』『シネマの名匠と旅する「駅」』『駅とアートは求め合う』(共著)など。
三浦 篤(みうら・あつし)東京大学総合文化研究科教授。専門はフランス近代絵画史、日仏美術交流史。著書に『まなざしのレッスンⅠ:西洋伝統絵画』『自画像の美術史』『近代芸術家の表象』など。
米山淳一(よねやま・じゅんいち)岸信介事務所を経て、日本ナショナルトラスト事務局長を務める。全国で保存・活用・再生を手がけた歴史・自然遺産多数。著書に『 「地域遺産」みんなと奮戦記』『星さんの鉄道昔ばなし』(共著)、『上越線』など。
(*刊行時のものです)