時間の図鑑
【著】アダム・ハート=デイヴィス
【監訳】日暮雅道
B5変形判、フルカラー256ページ
定価 本体5,800円+税
ISBN 978-4-903487-57-1
2012年9月発売
✣日本図書館協会選定図書
考えれば考えるほど不思議な〈時間〉を、 さまざまな側面からビジュアルに解説
見ることも、聞くことも、触ることもできないのに、
私たちを、そして万物を支配する時間。 時間とはいったい何だろう?
時間をめぐる古代〜現代の探求の歴史から、古代文明の暦、
機械時計の歩み、天体や生き物の体内にある時計、
現代科学の理論とタイムトラベルまで。
時間をテーマにしたSF小説の名品がある、作家・山田正紀氏推薦!
▶▶『朝日新聞』2012年11月11日付読書面で紹介されました。
▶▶▶『読売新聞』2012年12月16日付読書面に書評が掲載されました(評者:朝吹真理子氏)。
複雑に錯綜した「時間」の迷路に分けいる、格好の道案内
山田正紀(作家)
時間とは何だろう? それは実在するのか。それとも人の意識のなかにたゆたう亡霊のようなものにすぎないのか。川のように過去から未来に流れているのか。あるいは映画のように一駒一齣の「いま」がつらなっているだけなのか? 子どものころからいつもそんなことを考えてきた。そして、いつしかそれが誰もが共通してとり憑かれる疑問なのだということを知った。
―ほんとうに時間て何だろう? それはあまりにとりとめがなく、膨大で、しかも複雑に錯綜している。その迷路に分けいるにはコンパスと地図が必要だ。この『時間の図鑑』があれば迷う心配はない。図版は美しいし、記事は知的好奇心を誘ってくれる。なにより、とてもおもしろい。
第1章 時間とはなにか?
古代ギリシア/ニュートン、ライプニッツ、カント/時間は現実の存在か?/時間と意識/時間と仏教/時間の間隔/時間のストレス/生活のペース/時間の始まり
[コラム] ヒッポのアウグスティヌス/時間研究
第2章 自然界の時計
太陽/月/月食・日食/誕生・繁殖・死/自然選択と進化/地球の年齢/年代測定のテクニック/生命はいつ誕生したか?/生物時計/動物のリズム/植物のリズム
[コラム] バックランド博士のハイエナ/洞窟で暮らす
第3章 時間を決める
冬至を祝う/エジプトの方法/1年を分割する/ユリウス暦/グレゴリオ暦/合理的なカレンダー/イスラームの暦/メソアメリカの暦/中国の暦/曜日/時間を標準化する/グローバルに向かう
[コラム] 日没・日の出を観測する/月のスタンドスティル
第4章 時間を計る
太陽時間/水時計/機械時計/科学革命/経度の問題/ジョン・ハリソン/電気時計/原子時計/DPS
[コラム] ロウソク時計と砂時計/ガリレオと振り子/最初の携帯時計/宇宙人からの通信
第5章 時間と科学
近代科学/音の速さ/光を探求する/相対運動/特殊相対性/遅れる時計/タイムトラベル/時間の始まり/時間の終わり
[コラム] 基本単位/光の速さ/アルベルト・アインシュタイン
【著者】
アダム・ハート=デイヴィス(Adam Hart-Davis)
1943年英国生まれ。オクスフォード大学で修士号、ヨーク大学で博士号を取得。科学者、ライター、写真家、歴史家、テレビキャスターなど多彩な顔を持ち、科学の解説にかけては世界的に定評がある。BBCテレビのシリーズ番組『古代ローマ人の遺跡』『ヴィクトリア朝の遺跡』などで知られるほか、30冊近い著書がある。『世界の歴史大図鑑』『サイエンス大図鑑』(ともに河出書房新社)の総監修者。
【監訳者】
日暮雅通(ひぐらし・まさみち)
1954年生まれ、青山学院大学理工学部卒、英米文芸・ノンフィクション翻訳家。訳書はベントリー『ビジュアル版 数の宇宙』(悠書館)、クーパー&ヘンベスト『ビジュアル版 天文学の歴史』(東洋書林)、アダム・ハート=デイヴィス『サイエンス 大図鑑』(河出書房新社)、アーサー『テクノロジーとイノベーション』(みすず書房)ほか多数。