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大平悦子の遠野ものがたりー新しい日本の語り 第2期第6巻
【編】日本民話の会
責任編集・米屋陽一
[定価]本体1,800円+税
[体裁]四六判200ページ、DVD付き
[ISBN]978-4-903487-73-1
2014年2月発売
実績ある語り部たちが一堂に会した、画期的なシリーズ。
第6巻は、民話のふるさと遠野に生まれ育ち、遠野の昔話や柳田国男『遠野物語』を遠野ことばで語る大平悦子。遠野語りの原風景を求める語り部による、わらべうたほか39話。『遠野物語』第99話、三陸大津波を伝える「妻のたましい」も収録。
「私は今、さまざまな語りの会で、遠野の昔話のほかに、『私が見たり聴いたりした東日本大震災』を語っています。『忘れてはいけない』『伝えなければいけない』という思いからです。これからも意識して語っていこうと思います」(本書より)
〈民話のふるさと〉遠野の青笹に生まれ育ち、遠野言葉を母語とし、幼いころ聞いた母親や祖母、そして大好きなハナおばちゃんの世間話や噂話などを糧として、遠野の昔話や柳田國男の『遠野物語』の暗記ではない、〈遠野の語り〉の原風景を模索しつづけてきた大平悦子。3・11の大震災を機に、遠野と縁もゆかりもある三陸沿岸の人びとといっそう深く関わるなかで、人間の生きる力を奮い起こさせる語りの世界を切り拓きつつある大平悦子の語り。まさに〈新しい日本の語り手〉の登場である。
責任編集者・米屋陽一
遠野の暮らしと語り
1.遠野ものがたり
黒髪の女/さらわれた娘/登戸の婆さま/オクナイサマ/ザシキワラシ/通夜のできごと/オット鳥/馬追鳥/郭公(かっこう)と時鳥(ほととぎす)/河童の足跡/姥子淵(おばこぶち)の河童/河童の顔/マヨイガ/妻のたましい/四十八坂の狐
2.遠野のムカシがたり
とうふとこんにゃく/五徳と犬の足/ねずみのすもう/和尚さまと髪の毛/豆っこひとつ/化け猫の離し/履物の化け物/和尚さまと門前の嫁さま/物知らず親子どろぼう/オシラサマ/馬鹿/おっつけ言葉/蛇と茅(ちがや)とわらび/とちの実
3.遠野のムカシがたり その2
眉の役目/ねぼすけ/あわて者/馬と猫と犬と鶏/十六だんごは本尊さま/マハとホウズキ/宝授面(ほうじゅめん)/あやめになった婆さま/笹焼蕪四郎(ささやきかぶしろう)
遠野のわらべうた
【語り部紹介】
大平悦子(おおだいら・えつこ)
1954年、岩手県遠野市青笹町生まれ。東京の大学に進学、神奈川県の公立小学校教諭となる。結婚後3児の子育てをしながら勤め、2011年3月に退職。在職中から川崎市立日本民家園を語りの場として、遠野での見聞談・体験談の語り、遠野の昔語り、遠野の災害伝承の語り、『遠野物語』の語りなど、遠野ことばによる新しい語りを披露している。川崎市の自宅と遠野市のもう一つの自宅を拠点にして語りの行脚は続く。