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色彩の紋章
【著】シシル
【訳・解説】伊藤亜紀・徳井淑子
定価=本体2,000円+税
四六判226ページ
2009年4月発売(第2刷2009年7月)
ISBN978-4-903487-28-1
✣日本図書館協会選定図書
西洋中世の色彩論の原点、待望の邦訳!
古典・古代から中世を通じてたくわえられてきた博物学の知識を縦横に駆使し、色の使い方の歴史的経緯と、色にこめられた象徴的意味合いを集大成。フランス、イタリアで版を重ねた〈隠れたベストセラー〉を初邦訳。
著者シシルは、現在のベルギーにあたるモンスで生涯を送った紋章官。15世紀前半にアラゴン王アルフォンソ5世に仕えたとされる。
第I部では、紋章指南書として色の意味を解説。紋章を構成する七つの基本色のシンボリズムが、聖書や古典文学作品、史書の豊富な引用によって語られる。第II部はアリストテレスの色彩論を紹介。当時の色彩感情を余すところなく伝えている。
フランスで16世紀中に10以上の版が出され、続くイタリア語訳は7つの版を重ねた〈隠れたベストセラー〉。イタリアの人文主義者たちの色彩論に影響を与えた。ホイジンガが『中世の秋』(1919年)でこの書の記述を紹介し、中世の色彩文化を伝える重要な史料と見なされるようになった。
はじめに
『色彩の紋章』第I部
『色彩の紋章』第II部
解説I 隠れたベストセラー ─「紋章指南書」から「色彩象徴論」へ
(伊藤亜紀)
解説II 博物誌の伝統と近代的な感性(徳井淑子)
あとがき/註/ 引用・参考文献
【著者】
シシル(Sicille)
アラゴン、シチリア、バレンシア、マリョルカ、コルシカ、サルデーニャの王にしてバルセロナ伯アルフォンソの紋章官。
【訳者】
伊藤亜紀(いとう・あき)
国際基督教大学上級准教授。専門はイタリア服飾史および色彩象徴論。著書に『色彩の回廊—ルネサンス文芸における服飾表象について』(ありな書房)など。
徳井淑子(とくい・よしこ)
お茶の水女子大学大学院教授。専門は中世・近代の服飾史を中心とするフランス文化史。著書に『色で読む中世ヨーロッパ』(講談社)、『服飾の中世』(勁草書房)など。
(*刊行時のものです)