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ブルターニュのパルドン祭り—日本民俗学のフランス調査
【著】新谷 尚紀、関沢 まゆみ
(特別寄稿:ドナシアン・ローラン)
定価=本体2,800円+税
四六判312ページ
ISBN 978-4-903487-19-9
✣日本図書館協会選定図書
聖人信仰とカトリック信仰からさぐる、フランス文化の深層
独自の民俗文化が息づくフランス・ブルターニュ地方。カトリック信仰の篤いこの土地で今も続く伝統行事、パルドン祭りとトロメニを、日本民俗学の手法で初めて調査・分析。ほのかに見えてくるのは、ケルト文化の残照か?
▶▶▶読売新聞読書面(2008.4.28)で紹介されました。
第Ⅰ章 パルドン祭りと巡礼―フランス、ブルターニュ地方サンタース・ラ・パルーの事例より
プロセシオン/信仰の諸相/ベルリナージュの二つの意味
第Ⅱ章 パルドン祭りと奇跡の泉
泉水とシャペルの立地/パルドン祭りと泉水での儀礼
第Ⅲ章 パルドン祭りと夏至の火―タンタットゥと聖ヨハネの火
1.ブルターニュ地方の民俗調査/パルドン祭りと民俗伝承との関係/2.サン・ジャン・デュ・ドワのパルドン祭り/火のパルドン/奇跡の伝説/3.パルドンの火と夏至の火焚き行事/聖ヨハネの火祭り
第Ⅳ章 ブルターニュのトロメニ—伝説と現在
民俗学の海外調査研究/ランドロワのトロメニ/ロクロナンのトロメニ/伝承をめぐる力学
第Ⅴ章 ロクナンのトロメニ—祭式、空間、聖なる時
聖なるものの地、ブルターニュ/ケルト暦/小屋、十字架、巨石遺構/子授けの祭式/トロメニの周期ほか
新谷尚紀(しんたに・たかのり)
国立歴史民俗博物館教授・総合研究大学院大学教授。主著に『ケガレからカミへ』木耳社(新装版 岩田書店)、『神々の原像—祭祀の小宇宙』吉川弘文館、『柳田民俗学の継承と発展—その視点と方法—』吉川弘文館ほか。
関沢まゆみ(せきざわ・まゆみ)
国立歴史民俗博物館准教授・総合研究大学院大学准教授。主著に『宮座と老人の民俗』吉川弘文館、『民俗小事典死と葬送』吉川弘文館(共編著)ほか。
ドナシアン・ローラン(Donatien Laurent)
ブレスト大学教授、同大学ブルターニュ・ケルト研究センター教授。専門はブルトン語の口承文芸、ブルターニュにおける民俗信仰、ケルトの暦。
(*刊行時のものです)