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日本の中世の秋の歌『閑吟集』を読む(上・下)

[著]堀越孝一

[体裁]四六判・各456ページ

[定価]本体2,500円+税

[ISBN]978-4-86582-038-6(上)
           978-4-86582-039-3(下)

[発売]2023年4月

 

「ここに一狂客あり、三百余首の謳歌を編み、名づけて閑吟集といふ」

――室町時代から戦国時代へかけて、世の中がおもしろく動いた。演劇もおもしろくなった。田楽から能へ。この時代に生きた男が糺(ただす)の森へ能を見にいく。見た能に触発されて、小歌をものする。あるいはかれの創作が能の台詞作りを共有したこともあったか。その辺の消息、ゾクゾクするほどおもしろい。(「はじめに」より)

 

西洋中世史学の泰斗が、晩年の十数年、その知性を傾注し続けたのが

室町歌謡集『閑吟集』への注釈でした。

『万葉集』『古今集』『源氏物語』『枕草子』をはじめとする古典文学の深い森を縦横に逍遥しながら、〈日本の中世の秋〉の世界に私たちをいざないます。


まるで重力から解放されたかのように自在に古典の世界を往還する碩学の名人芸、存分にご堪能あれ!

 

 

【書評・メディア掲載】

▶『週刊読書人』2023年9月15日号に書評が掲載されました(評者・宗近真一郎氏)『図書新聞』2024年3月30日号に書評が掲載されました(評者・斉藤昭子氏)

上巻
  『閑吟集訳注』によせて(井上 亘)
花の錦の下ひもハ 閑吟集私注――はじめに 

序歌  花の錦の
Ⅰ 誰が袖触れし梅が香ぞ
Ⅱ あら、卯の花や、卯の花や
Ⅲ わが恋は、水に燃え立つ蛍
Ⅳ 人の心の秋の初風
Ⅴ 今朝はとりかき聚たる松の葉は

   本書を読むにあたって(田村 航)

 
下巻

Ⅴ 今朝はとりかき聚たる松の葉は(続)
Ⅵ いざ引く物をうたわんや
Ⅶ あの鳥
Ⅷ 人の心は

ご挨拶

   堀越孝一『閑吟集』注釈を読む(小峯 和明)
   〈ホモ・ルーデンス〉ドクトル堀越の遊びの極意を見つけたり!

      --編集後記に代えて
   編集後記補遺(田村 航)
   注釈重要語句一覧 

 

堀越孝一(ほりこし・こういち)  
1933年東京に生まれる。1956年に東京大学文学部西洋史学科卒業。
卒論のテーマは「十八世紀フランスにおける『百科全書』の出版に
ついて」。4年ほどの放浪生活を経て、1960年同大学大学院入学。
堀米庸三教授の薫陶をうけつつヨーロッパ中世史の研究を深める。
1966年、同院人文科学研究科博士課程満期退学。茨城大学、学習院
大学、日本大学をはじめ多くの大学で教鞭を執る。学習院大学名誉
教授。著書に『中世ヨーロッパの歴史』、『中世の秋の画家たち』、
『ヴィヨン遺言詩注釈』Ⅰ~Ⅳ、『人間のヨーロッパ中世』、『放浪学生(ヴァガンテース)のヨーロッパ中世』、『中世ヨーロッパの精神』など。翻訳
書に、ホイジンガ『中世の秋』『朝の影のなかに』、G.オーデン
『西洋騎士道事典』、C.B.ブシャード『騎士道百科図鑑』、『ヴィ
ヨン遺言詩集』、『パリの住人の日記』Ⅰ,Ⅱ,Ⅲなど。2018年9月8日没。

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