西洋博物学者列伝—アリストテレスからダーウィンまで
【編著】ロバート・ハクスリー
【訳】植松靖夫
定価=本体9,500円+税
B5判フルカラー360ページ
2009年1月発売
ISBN 978-4-903487-26-7
✣日本図書館協会選定図書
自然界に魅せられ、探求する歓び。知の巨人たちの足跡をたどる
自然の神秘を、感じる歓び、探す歓び、集める歓び、描く歓び、名づける歓び、分類し系統だてる歓び—。古代から19世紀末まで、それ以降専門分化してゆく、近代諸科学の礎を築いた博物学者たちの生涯と事績を、多彩な博物画やスケッチとともに描き出す。
✦古代から近代19世紀末まで、時代を代表する博物学者39人の知の歩みを、エピソードを交えて紹介。
✦世界最大級のコレクションを誇る、ロンドン自然史博物館所蔵の稀少な博物画やスケッチ200点余りを収録。
✦植物、昆虫、哲学、自然史、科学史、古生物学など各分野の専門家が執筆。
▶▶▶朝日新聞(2009.1.25)、東京新聞・中日新聞(2009.1.25)、北海道新聞(2009.3.1)、西日本新聞(2009.3.8)、図書新聞(2009.6.3:金子民雄氏評)に書評が掲載されました。
荒俣 宏氏(作家・博物学者)
「こんなにスリリングな知の冒険の歴史が、一般の読者にアピールしないわけはない。知られざる驚異の人物たちの伝記を、よくまあ、これだけ集めてくれました!」
奥本大三郎氏(仏文学者、日本アンリ・ファーブル会理事長)
「簡にして要を得た、読んで面白い西洋博物誌。…キリスト教は博物学、近代自然科学をも育て上げたのである。」
多様性の中の統一性
〈第1部 古代の博物学者〉
アリストテレス:最初の哲学者・博物学者/テオフラストス:植物学の祖/ペダニオス・ディオスコリデス:植物の薬効を記録/大プリニウス:知の蒐集家
〈第2部 ルネサンス〉
レオンハルト・フックス:図解の重要性/ウリッセ・アルドロヴァンディ:実物を直接観察/アンドレア・チェザルピーノ:医師にして哲学者であり植物学者/ピエール・ブロン:比較解剖学の先覚者/コンラート・ゲスナー:近代動物学の黎明
〈第3部 啓蒙主義の時代〉
ニコラウス・ステノ:地球の地質の過去を解明する/ジョン・レイ:イングランドのアリストテレス/ロバート・フック:顕微鏡による自然研究/アントニ・ファン・レーウェンフック:バクテリアの発見者/サー・ハンス・スローン:大蒐集家/マリア・シビラ・メリアン:昆虫の変態/マーク・ケイツビー:植民地の博物学者にして藝術家/カール・リンネ:自然界に秩序を与えた男/ビュフォン:大理論家/ゲオルク・シュテラー:アラスカ発見/ミシェル・アダンソン:普遍的分類法/エラズマス・ダーウィン:進化論の幕開き/ウィリアム・バートラム:科学的な記録者にして藝術家/ジョゼフ・バンクス:海を渡る探検家にして博物学の擁護者/ヨハン・クリスチャン・ファブリシウス:昆虫の分類/ジェイムズ・ハットン:地球の年齢を発見/ジャン—バティスト・ラマルク:獲得形質の遺伝/アントワーヌ—ローラン・ド・ジュシュー:植物の新分類法/ジョルジュ・キュヴィエ:絶滅と動物王国
〈第4部 19世紀〉
ウィリアム・スミス:イギリス地質学の父/アレクサンダー・フォン・フンボルト:自然界統一の構想/ジョン・ジェイムズ・オードゥボン:画家・博物学者・冒険家/ウィリアム・バックランド:恐竜研究の先覚者/チャールズ・ライエル:近代地質学の首唱者/メアリ・アニング:化石探しの達人/リチャード・オーウェン:比較解剖学のリーダー/ジャン・ルイ・ロドルフ・アガシー:調査・観察・比較/チャールズ・ダーウィン:完璧な博物学者/アルフレッド・ラッセル・ウォレス:種の起源の問題/エイサ・グレイ:アメリカ西部の植物
執筆者一覧/邦訳文献一覧/図版出典一覧/索引/訳者あとがき
【編著者】
ロバート・ハクスリー(Robert Huxley)
ロンドン自然史博物館植物部門蒐集部長。北アメリカ自然科学蒐集連合の委員。自然誌コレクション保存協会前会長。大英博物館の土台となったハンス・スローンによる17 ~ 18 世紀の膨大なコレクションはハクスリーに任されており、近年はこの時代の自然誌について執筆・放映活動をしている。
【訳者】
植松靖夫(うえまつ・やすお)
東北学院大学教授。主要訳書にH.メイヒュー『ヴィクトリア時代ロンドン路地裏の生活誌』、G.ウェイトマン『図説・テムズ河物語』、C.ヒバート『図説・イギリス物語』、R.マンキェヴィチ『図説・世界の数学の物語』、M.ファーバー『文学シンボル事典』、U.エーコ『美の歴史』、コリン・ウィルソン『人狩り』など。
(*刊行時のものです)